文部科学省が全国81大学の医学部入試を調べている問題で、「医学部入試における女性差別対策弁護団」が20日、不適切な事例が疑われる大学名の公表などを求めて同省に要望書を提出した。角田由紀子弁護士は「受験生の救済のためにも、早急に公表するべきだ」と話した。
文科省は、東京医科大で女子受験生らが不利になる得点操作が行われていたことが明らかになったことをきっかけに調査を開始。10月の中間報告では、複数の大学で不適切な入試が行われた疑いがあることを明らかにしたが、大学名は発表していない。
弁護団は現在、東京医科大の受験生24人を代理して同大に慰謝料や成績の開示を求めている。大学側はこの日までに慰謝料について「第三者委員会の調査結果も踏まえて決定する」、成績について「12月以降に対応すべく検討する」と回答したといい、弁護団は「謝罪も具体的回答もなく、誠実さのかけらも感じられない」と批判した。(山下知子)