国際刑事警察機構(ICPO、本部・仏リヨン)は21日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれた年次総会で、韓国出身のキム・ジョンヤン副総裁を新総裁に選んだ。中国当局の捜査を受けた孟宏偉・前総裁の辞任を受けたもので、キム氏の任期は孟氏の残り任期の2年となる。
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キム氏は孟氏の辞任後は総裁を代行していた。新総裁にはロシア出身のアレクサンドル・プロコプチュク氏も候補に挙がっていたが、ロシアが国外にいる自国の反体制派などの逮捕にICPOを利用するのではないかとの懸念から、米英などが反対していた。
キム氏は「治安や安全に対する大きな挑戦に打ち勝つために、我々には明確なビジョンが必要だ」と訴えた。
孟氏は、9月末に中国に帰国後、消息が途絶えた。その後、中国当局が収賄容疑などで捜査をしていることが明らかになっていた。(ドバイ=高野裕介)