河村たかし名古屋市長が打ち出す「目玉」政策で、実現性に疑問符が相次いでいる。部下の市職員や外部の関係機関、有識者などの理解を得られず、「どえりゃあ、おもしれえ街に」との意気込みが空回りしている状況だ。(関謙次、岩尾真宏、中川史)
「(あおなみ線が西に延伸すれば)金城ふ頭からナガシマまで10分。IRは2千万~3千万人に来てもらうと言ってました。足すとディズニーランドぐらいのものができる」
河村氏は26日午前の定例会見で、カジノを含む統合型リゾート(IR)をナガシマリゾート(三重県桑名市)周辺で整備できないか、三重県などに提案したと発表した。だが午後に記者団の取材に応じた鈴木英敬・三重県知事は、河村氏から10月半ばごろに「IR関連業者からナガシマリゾートを評価する声があり、どこかのタイミングで公開する」との電話が1回あっただけだったとし、「候補に挙げられたということ自体、驚きをもって受け止めている」と戸惑いを隠せなかった。
「最大の目玉」とする名古屋城天守木造化は、10月中に国の許可を得る予定だったが、市の有識者会議「石垣部会」と対立して申請もできなかった。市役所内では早くから「10月の許可は無理」と認識していたにもかかわらず、河村氏は会見などで「間に合わせる」と主張した。スケジュールの大幅な見直しは避けられないが、当初予定の2022年末完成を「死守する」と断言している。
「『他でも』といろいろ言って…