三菱電機の子会社のトーカン(千葉県松戸市)は4日、産業用ゴム部品の品質不正問題の調査結果を発表した。2000年以降に出荷したゴム部品の7%強にあたる783万個で、品質データの偽装や検査の省略といった不正があり、硬さなどの仕様を実際よりもよく見せていた。今年1月から社内調査に着手した後も不正が続いていたという。
三菱電機の子会社、ゴム部品253種で性能偽装
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トーカンの松岡達雄社長は記者会見で「お客さま、関係者の皆さまに多大なるご迷惑をおかけした」と謝罪。責任感の欠如や品質管理の意識の低さ、納期優先などが原因だとした。三菱電機の織田巌ビルシステム業務部長も「親会社として管理監督責任がある」と謝罪した。
不正があった部品は、鉄道車両や電力関連設備といった産業機器用のクッションやカバー、キャップ、ゴムシートなど240種、家電やパソコンに使う電子機器用の放熱絶縁ゴム4種、エスカレーター用の手すりやローラー9種の計253種。トーカンがつくる部品数の2割にあたる。
部品に成型する前のゴムの品質検査で、出荷先に約束したものより緩い基準を適用したり、作業を省いたりしていた。検査データの改ざんも7件あった。記録がある00年以降は不正があったと認定したが、いつ始まったかは不明という。部品は特注品で公的規格の対象ではなく、法令違反はないという。
トーカンの出荷額の9割が三菱電機向けで、不正があった部品は25社に出荷された。三菱電機以外の出荷先はメーカーや商社で、企業名は公表していない。問題の部品による事故やトラブルは今のところなく、取引見直しなどは通告されていないとしている。
また、問題の部品を使った三菱…