バスケットボールの本場・米国への武者修行を前に、女子の次世代エース候補が、高校最後の大会で好スタートを切った。
日曜オフや年休10日も 時短の近大付高、バスケ全国へ
今野紀花は、聖和学園(宮城)の3年生。身長178センチで、ガードからセンターまで幅広くこなすことができるオールラウンダーだ。ハンドリングの良さと視野の広さが持ち味で、1対1で自ら得点を重ねるだけでなく、仲間を生かすパスも得意とする。次世代の日本代表のエース候補として期待されている存在だ。
全国高校選手権大会(ソフトバンクウインターカップ)の初戦に臨んだ23日は、鳥取城北相手に22得点11リバウンド5アシストと、その逸材ぶりで勝利に貢献。民放各社を含む多くの報道陣が駆けつけ、試合後は特別に別室でのインタビュー時間が設けられるなど熱視線を集めたが、「米国に行くとはそういうこと」と涼しい顔で応えた。
女子選手の場合、高校卒業後は国内女子トップリーグのWリーグのチームに所属するのが一般的。後に米トップリーグのWNBAに挑戦し新人ベスト5に選出された渡嘉敷来夢(らむ)も、桜花学園(愛知)の卒業後はJX―ENEOSに進んでいる。
だが、今野は全米大学体育協会(NCAA)1部のルイビル大(ケンタッキー州)に進学する道を選んだ。同大は今春のNCAAトーナメントで4強入りした強豪校。チーム関係者が今野のプレーを動画で見たことがきっかけで、奨学生として来年9月に入学することが決まったという。
今野はこれまでも18歳以下の日本代表として世界と戦ってきた経験があり、「米国では(体の強さや技術の高さなど)日本にはいないような選手ともっとやってみたい」と意気込む。
今大会は日本でのバスケット生活の集大成となる。「これからより厳しい環境で挑戦していくのだから、もう日本では誰にも負けられない」。昨年超えられなかった8強の壁を見据え、引き締まった表情を見せた。(松本麻美)