ノルディックスキー・ジャンプのワールドカップ(W杯)で昨季まで一度も表彰台に上がれなかったジャンパー、小林陵侑(りょうゆう)(22)=土屋ホーム=が、なぜ、67回目を迎えたジャンプ週間で史上3人目となる4戦全勝で総合優勝を果たしたのか。わずか5ミリ。見た目では分からない変化が、躍進のカギだった。
昨夏、所属先のフィンランド人のヤンネ・バータイネン・コーチが一つの提案をした。スキー板と靴を留める金具の間に挟む「プレート」の厚さを5ミリ薄くすることだ。重心を低くしてアプローチを組めれば、踏み切る時により大きな力を伝えられる。
小林陵は昨季までのW杯で10…