中東を訪問中のポンペオ米国務長官は9日、イラクの首都バグダッドを予告なしに訪れ、同国のアブドルマハディ首相やサレハ大統領らと会談した。昨年12月にシリアからの軍撤退を表明した米国だが、トランプ大統領に続く訪問でイラクへの関与継続を明確にし、敵視する隣国イランを牽制(けんせい)する姿勢を見せた。
米国務省によると、ポンペオ氏はイラク政府による同国の安定と安全への努力を支えると強調し、過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いでイラク軍との協力関係を続けることについても話し合ったとしている。イラクは2017年12月にIS掃討作戦の終了を宣言したが、今もISによるとみられるテロが散発的に起きている。
イラクには約5200人の米兵が駐留して地元部隊の訓練などを担っている。トランプ氏は先月26日、就任後初めてイラクを訪問して米軍部隊を激励したが、首相らとの会談はしていなかった。ポンペオ氏は今後、エジプトや湾岸諸国を訪れる予定。(クウェート=高野裕介)