ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は12日、イタリアのバルディフィエメで個人第12戦(HS135メートル、K点120メートル)が行われ、小林陵侑(土屋ホーム)が135メートル、136メートルを飛び、合計315・0点で6連勝し、今季、通算とも9勝目を挙げた。
小林陵侑の快進撃、レジェンド原田が絶賛 ジャンプW杯
小林陵侑が6連勝 W杯ジャンプ男子
国際スキー連盟によると、6連勝はグレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)ら4人に並ぶ最多記録。通算9勝は原田雅彦に並ぶ日本男子歴代3位となった。
佐藤幸椰は16位、小林潤志郎(ともに雪印メグミルク)は21位。伊東大貴(同)と中村直幹(東海大)は2回目に進めず36位、葛西紀明(土屋ホーム)は44位だった。(時事)
「レジェンドたちの中に入れた」
小林陵が圧巻の内容で、W杯の連勝を6に伸ばした。アホネン(フィンランド)、シュリーレンツァウアー(オーストリア)ら各時代の超一流ジャンパーに肩を並べる歴代最多記録。「レジェンドたちの中に入れて、すごくうれしい」。記録にこだわりはない方だが、さすがに感慨に浸った。
飛距離が伸びにくい追い風が強く続いた1回目。K点に届かない選手が多かったが、ヒルサイズと同じ135メートルの大飛躍。風が弱まっていたとはいえ、迫力満点のジャンプに観客はどよめいた。助走路は雪を固めた古いタイプだったが、絶好調ぶりは変わらなかった。
2回目は全体で一番低いスタートゲートに下げられたが、ヒルサイズを1メートル上回った。着地をしっかり決めた後は、派手なガッツポーズで体勢を崩して転倒し、「たまには仕方ない」と苦笑い。2位とは、これまでの勝利の中で最大の26・5点差。飛距離換算で約15メートル差の圧勝だった。
年末年始のジャンプ週間では、史上3人目の4戦全勝で総合優勝する偉業を達成したばかり。表彰台中央もなじみの場所となり、「自分でもちょっと慣れがある」。22歳の快進撃はまだまだ続きそうだ。