2020年東京五輪で実施されるスケートボードのストリート種目の世界選手権は13日、リオデジャネイロで決勝が行われ、女子は西村碧莉(あおり、木下グループ)が優勝し、初代女王となった。
男子は、世界最高峰のストリートリーグで今季3戦全勝の堀米雄斗(XFLAG)が決勝から出場したが、8人中8位に終わった。ナイジャ・ヒューストン(米国)が優勝を飾った。
ストリート種目の世界選手権は今回が第1回で、20年東京五輪の出場権が懸かる世界ランキング得点の最初の対象大会として開催。競技は45秒間の自由演技「ランセクション」2本と一発技を競う「ベストトリック」5本の計7本で構成。高得点の4本の合計で争った。
正確なボードさばきで栄冠
日本女子の第一人者、西村が世界選手権の初代女王の座を射止めた。ブラジルのブフォニら外国勢に技のスピードやダイナミックさではかなわない部分もあったが、何より正確なボードさばきが栄冠を引き寄せた。
45秒間のフリー演技を2度行う「ランセクション」でほぼノーミス。トップに立った。一発技の出来を競う5本の「ベストトリック」でも、1本目でコース中央の最も難しいレール上にボードを直角に当てて滑り降りる高難易度の技で9点を出すと、次々に高得点をたたき出した。
最終5本目を前に、地元ファンの大声援を受けるブフォニにわずかに逆転を許した。「すごいプレッシャーがあったが、自分を信じれば絶対できると思ったので、何も考えずにやった」。最後も1本目と同じレールで勝負し、8・5点を獲得。0・1点の僅差で再逆転を果たした。
「ちょっと体調を崩していたが、自分の出せる一番の滑りができてすごくうれしい」。2020年東京五輪代表の座もちらつくが、当面は目の前の大会での上位入りだけを見据えるという17歳。表彰台のてっぺんで満面の笑みを浮かべた。(時事)