12日で開会式まであと500日となった2020年東京五輪。若いアスリートには、どう映っているのだろうか。
スケートボード・西村詞音、碧莉
スケートボードの西村姉妹にとって、東京五輪は「ゴール」ではない。
1月のストリート世界選手権で初代女王に輝いた妹の碧莉(あおり)(17)=木下グループ=はきっぱりと言う。「五輪のために特別に何かをするわけじゃない」。いつも通りに練習して試合に出る。その延長線上に、五輪はある。
東京から追加種目に入ったスケボーは元々は遊びから派生した競技。「スケボーの文化は遊び。そういうスタイルは維持したい。五輪に出れば今までにない重圧がかかりそうだけど、ただひたすら楽しみたい」
姉の詞音(ことね)(20)=同=には、自らを奮い立たせる材料にはなっている。3年前に左ひざを負傷し、今年2月にやっと試合に戻った。「碧莉はけがさえしなければ、確実に出られる。自分が頑張って、姉妹で五輪に出たい。それが目標かな」
詞音10歳、碧莉7歳の時、友達の誘いでスケボーを始めた。転んでも大技に挑み続ける強気な姉と、技に入るまで1時間ほど考える慎重な妹。コーチ役の父哲雄さん(43)は「詞音は喜怒哀楽が激しくて、碧莉はマイペース。性格は全然違うけど、それぞれに違う魅力がある」という。
碧莉は世界最高峰のXゲームなどで活躍。今や世界の女子トップスケーターの1人だ。「海外に移住して、自分の名前が入ったデッキ(板)を出したい」。そんな妹を追いかける姉は「自分を見てスケボーを始める子どもが増えたら」。スケボーの楽しさを伝える。それが2人の使命だ。(野村周平)
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