佐藤天彦(あまひこ)名人(31)への挑戦権をトップ棋士10人が総当たりのリーグ戦で争う「第77期将棋名人戦・A級順位戦」(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の7回戦5局のうち最後の一局、糸谷(いとだに)哲郎八段(30)と阿久津主税(ちから)八段(36)の対局が16日、大阪市福島区の関西将棋会館で指された。先手番の糸谷八段が87手で勝ち、リーグ成績を4勝3敗とした。敗れた阿久津八段は0勝7敗となった。終局は16日午後8時26分だった。
名人への道 藤井聡太
永世七冠 羽生善治
この結果、阿久津八段のB級1組への降級が決まった。阿久津八段は4期ぶり2回目のA級参戦だったが、開幕から勝ち星を挙げられず、残り2局に勝っても成績下位2人の降級枠に入ることが確定した。
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7回戦終了時点での成績は、以下のとおり(棋士の氏名の前のマル囲み内の数字は、各棋士の今期順位)。
【6勝1敗】①羽生善治九段、③広瀬章人竜王、⑥豊島将之二冠
【4勝3敗】④佐藤康光九段、⑨糸谷八段
【3勝4敗】⑤久保利明王将、⑧三浦弘行九段
【2勝5敗】②稲葉陽八段
【1勝6敗】⑦深浦康市九段
【0勝7敗】⑩阿久津八段
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8回戦(1月31日に5局一斉対局)で羽生-豊島戦、最終9回戦(3月1日に5局一斉対局)で広瀬-羽生戦という直接対決が組まれている。そのため、現時点で6勝1敗の3棋士の中から、最終的に7勝2敗以上の成績を収める棋士が必ず出る。このため、現時点で4勝3敗の棋士が残り2連勝しても6勝3敗どまりで、挑戦権には届かない。
挑戦権争いは羽生九段、広瀬竜王、豊島二冠の3人に絞られている。
一方、残る降級の1枠は、順位の関係もあり、深浦九段、稲葉八段、三浦九段の3人に絞られた。(佐藤圭司)