JR山手線品川―田町駅間に2020年開業する新駅「高輪ゲートウェイ」(東京都港区)をめぐり、エッセイストの能町みね子さんや国語辞典編纂(へんさん)者の飯間浩明さんらが27日、駅名撤回を求める4万7930件の署名をJR東日本に提出した。能町さんらは「高輪」にすべきだとの提言書も提出したが、JR東は見直す考えがないことを改めて強調した。
JR東の駅名公募には約6万4千件の応募があり、最多は「高輪」(8398件)で「芝浦」「芝浜」が続いた。「高輪ゲートウェイ」は36件で130位だったが、当初から「応募数では決めず、すべての駅名を参考にする」として、深沢祐二社長らでつくる社内選定委員会が最終決定した。
能町さんらは昨年12月の駅名公表直後、インターネットを通じて署名活動を開始。この日の記者会見で「駅名は公的なもの。開発主導型ではなく、歴史的な地名を大事にするべきだ」と述べた。このまま開業したとしても「トークショーなどの草の根運動によって駅名変更を求め続けていく」としている。
一方、JR東は「様々な意見をいただいているが、駅名変更の考えはない。今後も高輪ゲートウェイの名が浸透するよう取り組んでいく」とのコメントを公表した。(細沢礼輝)