サッカーのアジア杯は24日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで準々決勝があり、日本(世界ランク50位)はベトナム(同100位)に苦しみながらも1―0で勝ち、2大会ぶり6回目の4強進出を果たした。MF堂安(フローニンゲン)がPKで決めた1点を守り切った。
日本は前半に一度、先取点を奪ったかに見えたが、ビデオ判定でノーゴール。後半には再びビデオ判定が適用され、堂安がペナルティーエリアで倒されたプレーがPKと判断された。
日本は、中国に3―0で勝ったイランと28日(日本時間28日午後11時)に準決勝を戦う。
吉田のゴール取り消し
アジア杯で初導入されたビデオ判定(ビデオ・アシスタント・レフェリー=VAR)で、日本は「明」と「暗」の両方の判定を受けた。
「暗」は前半24分。MF柴崎が蹴った左CKを、DF吉田が頭でゴール。ベトナムのキックオフで試合が再開されそうになったが、そこでUAEの主審が両手で四角を描くビデオ判定の合図をした。結果、吉田がヘディングした球が直後に右腕に当たっていたと判断され、ハンドの反則を取られてしまった。
日本が恩恵を受けたのは後半8分だ。MF原口のパスをゴール前で受けようとしたMF堂安が相手に倒された。いったんは流されたが、主審が映像をチェックしてPKと判定を変えた。堂安がこのPKを冷静に決めて先取点を奪った。
昨年のワールドカップロシア大会で導入され、話題となったVAR。今大会では準々決勝から使われ、この試合が初適用だった。1次リーグと決勝トーナメント1回戦は両ゴール脇に審判を立たせる「追加副審」を置いていた。日本は1次リーグのオマーン戦でDF長友が相手のシュートをブロック。「手に当たった。VARがなくてホッとしている」と明かしたこともあった。その時はビデオ判定がないことで助かったが、今度はビデオ判定の「恩恵」を受けた。(勝見壮史)