トランプ米大統領は25日、ホワイトハウスで演説し、国境の壁の建設費をめぐる与野党対立で政府機関の一部が閉鎖に追い込まれていた問題で、2月15日までの期限付きで政府を再開することを発表した。与野党はこれから3週間かけて、壁建設費の是非を含めて交渉を続ける。
政府閉鎖が史上最悪の35日目に入り、政府職員や国民の批判がトランプ氏に向くなか、与野党の交渉の結果、野党・民主党の提案をほぼ受け入れる形で、譲歩した。中間選挙で民主党に下院の過半数を奪われたことによる「ねじれ議会」で、トランプ氏は民主党との最初の戦いで手痛い敗北を喫した。
トランプ氏は演説で、国境の壁の実現をあきらめない姿勢を強調した。しかし、この日は、2016年大統領選に介入したとされるロシアとトランプ氏陣営との「ロシア疑惑」の捜査に絡み、トランプ氏の盟友で、選挙顧問だったロジャー・ストーン氏が逮捕された。野党は政府閉鎖から「ロシア疑惑」への追及にカジを切るとみられ、トランプ氏にとって厳しい局面は続きそうだ。(ワシントン=土佐茂生)