国内メーカーのデジタルカメラの年間出荷統計で、2018年はレンズ交換式がコンパクト型を初めて上回った。高性能カメラつきのスマートフォンが普及し、デジカメの売れ筋が本格的な撮影を楽しめる機種へと移った。
カメラ映像機器工業会が海外向けも含めて集計し、1日に発表した。レンズ交換式が前年比7・8%減の1075万台だったのに対し、コンパクト型は34・9%減の866万台と大幅に落ち込んだ。レンズ交換式も一眼レフタイプは1割以上減ったが、より軽くて小型のミラーレスタイプが伸びた。主要メーカーがミラーレスの高級機種を次々と投入したことも活性化を後押しした。
レンズ交換式とコンパクト型を合わせた総出荷台数は22・2%減の1942万台だった。SNSへの写真投稿ブームも追い風に17年は7年ぶりに増加したものの、勢いは続かなかった。出荷台数の約85%を占める海外向けのほうが、国内向けより落ち込みが大きい。ただ、売れ筋の高価格化が進んだため、総出荷額は8・0%減の7291億円にとどまった。工業会は「市場としての先行きは決して暗くはない」という。(内藤尚志)