スマートフォンの画面がオフになると、お気に入りのイラストや絵が浮かび上がる。大阪市鶴見区の印刷会社「中井銘鈑(めいばん)」が、特殊な印刷技法を用いた液晶保護フィルムを開発した。阪神タイガースは、公式グッズに採用した。
中井銘鈑は、さまざまな素材に特殊な印刷を施す技術を培ってきた企業だ。今回開発したのは、光り輝くインクをフィルムに印刷する技術。スマホの画面がオフの時には太陽光や照明に反射して印刷部分が光り輝き、オンの時はスクリーン側の光で見えなくなるインクの配合比を見つけた。「シークレットアート液晶保護フィルム」と名付けて、インクの配合比について特許を出願中だ。
この技術をさっそく商品化したのが、阪神タイガースだ。球団のマークを印刷したフィルムを3月末から公式オンラインショップ「T―SHOP」(
https://shop.hanshintigers.jp/
)で、税込み3240円で発売している。球団によると売り上げは順調で、阪神甲子園球場前の直営グッズ販売店「アルプス」でも取り扱いを始めたという。
中井銘鈑は、プロスポーツチームやアニメ、企業の販売促進活動に使うグッズなどへの採用を広げたいとしている。中井誠治社長は「海外の印刷業者との競合で業界は厳しいが、日本だけの高い技術でアピールしたい」と話す。(平賀拓哉)