(1日、サッカーアジア杯決勝、カタール3―1日本)
衝撃のオーバーヘッドに動揺 森保ジャパン、守備乱れる
森保ジャパン12戦目の初黒星 アジア杯優勝逃す
カタールのMFハティムにミドルシュートを決められると、森保監督は左手で頭をかいた。前半27分で2失点。カタールはベンチの選手がピッチ内に入っていくほどの喜びぶり。試合の流れが決まってしまった。
ハティムは、準々決勝の韓国戦でも左足でペナルティーエリアの外から決勝点を奪っていた。森保監督は「スカウティング(分析)はできていた」。数人で囲んでいたのに、シュートを簡単に打たせたことが失点の原因だ。
日本が、イランを3―0で破った準決勝。強豪相手に連動して圧力をかけ、自由なプレーを許さなかった。快勝で気が緩んだのか。主将のDF吉田は「この流れでいけるだろうという油断や隙みたいなものを、僕自身もチームの中に少し感じていた」という。
前半12分に奪われた1点目は、FWアリがオーバーヘッドで決めた。マークしていたのが吉田だ。1回、2回と球を浮かせてからシュートしたことを考えれば、寄せの甘さが招いた失点と言える。
敵陣に押し込んだ後半、24分にMF南野が得点し、追い上げムードが生まれはした。ただ、終盤にビデオ判定で吉田がハンドの反則を取られて、PKで3失点目。運にも見放された。
森保監督は「選手もスタッフも、最善の努力をしてくれた」。いつもと同じフレーズだったが、勝敗だけが違った。「結果に結びつけることができず、自分がもっと力をつけなければいけない」。日本にとって5回目のアジア杯決勝で、初黒星。苦い結末となった。(勝見壮史)