マドゥロ大統領による独裁的な支配への反発が広がる南米ベネズエラで、軍や警察幹部によるマドゥロ派からの離反表明が止まらない。反政府集会を弾圧し、「力による支配」を担ってきた軍や警察は政権維持の要といえ、求心力を失えばマドゥロ氏にとっては致命的だ。マドゥロ氏は引き締めを図るが、収まる気配はない。
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ベネズエラ、将軍が大統領から離反 批判する動画を投稿
「ベネズエラを再建するため、軍は新大統領フアン・グアイドとともにあるべきだ」。3日、チャベス前大統領の盟友だった元陸軍大尉のカルロス・セリス氏は動画をツイッターに投稿し、軍や警察にマドゥロ氏支持をやめるよう訴えた。
セリス氏は軍人時代のチャベス氏が率いた1992年2月4日の武装蜂起に参加。政権維持のため、チャベス氏の威光を利用するマドゥロ政権は27年目の記念日を組織の引き締めに利用しようとしていただけに、ダメージは大きい。
軍や警察の幹部によるマドゥロ政権からの離反表明は1月から相次いでいる。23日にグアイド国会議長が暫定大統領を宣言し米国などが承認すると、さらに加速。ワシントン勤務の駐米武官や空軍の現役将軍のほか、2月3日にはベネズエラ西部トルヒージョ州のバレラ市警察幹部も動画で離反を表明した。
外交官では駐米マイアミ領事、駐イラク大使らもグアイド氏支持を明らかにしている。
これに対し、マドゥロ氏は連日、軍や警察の訓練を視察し「米帝国主義の介入をはねのけねばならない」などと演説。これ以上の離反を防ごうと必死だ。
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