日産自動車は5日、取締役会を開き、4月8日に東京都内で臨時株主総会を開くことを決めた。臨時総会に提案する議案は、前会長カルロス・ゴーン被告と前代表取締役グレッグ・ケリー被告を取締役から解任し、仏ルノーの新会長に就いたジャンドミニク・スナール氏を日産の取締役に選任する人事案に絞る。
スナール氏を日産の取締役に選任するには、出席株主が持つ議決権の過半数の賛成が必要。ルノーは日産株の43%を持つ筆頭株主で、議案は可決される公算が大きい。両社は臨時総会に諮る議案について水面下で協議しているとみられ、ルノーは株主提案としてその他の議案を出すことはしない模様だ。日産幹部は「総会が大きく荒れることはない」とみている。
その後の焦点は、空席となっている日産の会長選びなどで両社が歩み寄れるかどうかに移る。日産は、ゴーン被告の不正を許してきたガバナンス(企業統治)上の問題点を分析する外部有識者による特別委員会を昨年12月に設置。特別委が3月末までに提言する改善策を受け、会長人事を含めた新体制を決める取締役会の議論を本格化させる方針だ。4月の臨時総会で日産の取締役に選ばれれば、スナール氏も議論に加わる。
ルノーの筆頭株主の仏政府は、…