ホンダが中止を決めた英国南部スウィンドン工場での自動車生産の継続を求め、英国の主要労働組合「ユナイト」は1日、インターネット上で署名集めを始めたと発表した。ユナイトは工場が閉鎖となれば、英国で1万5千人以上の雇用が失われるおそれがあると指摘。集めた署名は、ホンダの八郷(はちごう)隆弘社長に決定再考を求める請願書とともに提出する。
ユナイトによると、工場が閉鎖された場合、工場で働く約3500人の従業員ほか、取引先の部品会社など英国で約1万2千人以上が仕事を失う可能性があるという。八郷社長あての請願書では「世界でも通用し、引き続きホンダに成功をもたらすとの覚悟のある忠実な従業員に背を向けないでほしい」とし、生産中止の決定を見直すように求めている。
ホンダは2月19日、スウィンドン工場での生産を2021年中に終え、欧州生産から撤退すると発表。工場では昨年、主力車シビックを約16万台を生産しており、英国内では雇用や地域経済への影響を懸念する声が強まっている。(ロンドン=寺西和男)