世界の市場で激しい競争を繰り広げる自動車メーカー。互いをライバル視する間柄ですが、ときに温かいエールを送る場面もあります。今回、そんな一コマを見せたのは、ドイツの高級車メーカー・BMW。同じドイツの長年のライバル・ダイムラー(メルセデス・ベンツ)への粋な計らいが、ネットで話題になりました。
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その動画は「The last day(最後の日)」という字幕で始まる。
主人公は、ダイムラーで2006年から会長を務めてきた、ディーター・ツェッチェ氏(66)。5月22日の株主総会で退任する、その最後の日を追ったものだ。
執務室を出て、本社のロビーに向かう。社員らとの記念撮影に納まり、受付でIDカードを返す。そして黒塗りの高級車「Sクラス」に乗り込んで会社を出る。
ダイムラー会長の車庫から出てきたのは…
従業員らに見送られ自宅へ。運転手と握手し、引退を実感するツェッチェ氏。
「Free at last(もう自由だ)」という字幕に合わせてガレージの扉が開くと、ベンツのクラシックカーが。これで早速、退任後の初ドライブに向かうのか――。
と、思いきや、飛び出してきたのは、ライバルBMWの高級スポーツカー「i8 ロードスター」。オレンジ色の車体が鮮やかな、最新のプラグインハイブリッド車(PHEV)だ。
辞めたとたんにライバルのBM…