日産自動車と仏ルノーの間には一握りの幹部のみが知る門外不出の掟(おきて)がある。
「ゴーン追放」日産の戦略 パリの弁護士集団、指南役に
ゴーン氏の変節を疑った日産 そして極秘調査が始まった
カルロス・ゴーン もたらした光と影
全文30ページ弱の英文の書類で、「RAMA(ラマ)」と呼ばれる両社の合意文書だ。
RAMAはRestated Alliance Master Agreement(改定アライアンス基本契約)の略。日産の首脳人事や取締役の数などを規定する重要な協定で、いわば統治のルールを定めた「条約」だ。にもかかわらず、ごく限られた者しか目にすることができない。
ルノーが文書の概要を公にしているだけで、日産の公表資料からは文書の存在も確認できない。日産の元副社長でさえ、「見たことがない。重要な文書だけど、取締役会にも明らかにされていない」と話す。
ルノーの公表資料によると、両…