仏ルノーは12日、前会長カルロス・ゴーン被告が、オランダにある日産自動車とルノーの統括会社「ルノー・日産BV」の会長を辞任したと発表した。後任の会長にはルノーのティエリー・ボロレCEO(最高経営責任者)が就いた。1月にゴーン被告がルノーの会長兼CEO職を辞任したことに伴う人事という。
ルノーは、日産との取り決めに従った人事と説明している。仏当局から、14日の決算発表を前に経営陣の役職を明確に説明するよう求められていたという。ゴーン被告は、ルノーと統括会社の取締役にはとどまっており、ルノーの関係会社2社の役職も続けている。
「ルノー・日産BV」をめぐっては、同社からルノーの経営幹部に、役員報酬とは異なる非公表の報酬が支払われていたことがわかっており、ルノーが社内調査を進めている。
一方、日産は、ルノーの新会長に就いたジャンドミニク・スナール氏が横浜市の日産本社を14日に訪れることを明らかにした。西川(さいかわ)広人社長兼CEOら幹部と面会する。日産とルノーの関係の見直しについて、どこまで踏み込んだ議論を交わすか注目される。スナール氏は、両社と連合を組む三菱自動車の益子修会長兼CEOとも面会するとみられる。(パリ=疋田多揚)