本気で囲碁が強くなりたい子どもたちを対象に、関西の若手プロが直接指導する「大阪こども囲碁道場」が5日、大阪市北区に誕生した。対象は初心者ではなくプロ志望者らで、幼いころから本格的に鍛え上げ、関西囲碁界の底上げを図るのが狙いだ。
関西の碁会所は、同市内の小学4年生、仲邑菫(なかむらすみれ)さん(9)が4月に史上最年少棋士となることが決まったこともあり、にわかに活気づいている。しかし、関西にはレベルが高い子どもたちが集まって日常的に腕を磨ける場がなく、菫さんは韓国の囲碁道場で学んだ。
大阪こども囲碁道場は、アマ10級以上なら「教室生」として入会可能。生徒同士のリーグ戦やプロ棋士による指導対局、何手も先を読む力を鍛えるための詰碁の勉強会を通じて棋力向上を図り、人間を超えた囲碁AI(人工知能)も活用する。
アマ初段以上でプロを目指す「道場生」の試験に合格すれば、井山裕太五冠(29)や元王座の村川大介八段(28)が年に10回程度開く予定の研究会でトップ棋士の考え方を間近に学ぶことができる。地方の生徒らのためにネット指導碁を打つ「ネット生」のコースも設けた。
道場の師範代表の小松大樹三段(28)と吉川一(きっかわはじめ)三段(28)=いずれも日本棋院関西総本部所属=が交代で常駐する。吉川三段は「自分たちも30歳近くになり、未来の名人を目指すような若手を育てたいという思いが大きくなった。関西の子どもたちの強くなりたいという夢を応援したい」と意気込む。
初日の5日は6人が訪れた。母…