青木理さん寄稿
いかがわしさを漂わせ、むちゃなネタも強引に活字化する危うい雑誌。「噂(うわさ)の真相」への大方のイメージはそんなところだろうし、サングラスがトレードマークの編集長・岡留安則さんへの評価も同様だったろう。だが、実際に接すると、素顔はかなり違った。
岡留安則さん死去 「噂の真相」の編集長を務める
岡留さんと会うのは、大抵が新宿ゴールデン街の安酒場だった。何軒もはしごし、朝方まで飲むのもしょっちゅうだったが、交わすのはほとんどが馬鹿話。親子ほど年が違う私にも偉ぶらず、説教くさいことは一切言わず、時おり口をついて出るのは至極真っ当で、至極常識的なメディア論、ジャーナリズム論だった。
「どんな権力もメディアが疑い…