舞台は江戸時代の大坂・道頓堀――。作家、大島真寿美さんの新刊『渦(うず) 妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)魂結び』(文芸春秋)は、浄瑠璃作者の近松半二(1725~83)を主人公にした時代小説だ。「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)」や「新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)」など、現代でも上演される名作を残した半二の生涯をたどりながら、人形浄瑠璃や歌舞伎が作りだす虚実の渦を描く。執筆中は「楽しさが突き抜けて、至福を味わえた」と、歌舞伎好きの作家は語る。 近松門左衛門と同じ姓を名乗るが、半二は親戚でも師弟でもない。浄瑠璃狂いの父親に影響されて芝居小屋に入り浸り、父親から譲り受けた門左衛門愛用の硯(すずり)で自らも作者を志す。だが当時、人形浄瑠璃は歌舞伎に押されて客足が途絶えがち。そうした逆境のなか大ヒットしたのが、「妹背山婦女庭訓」だった。 大島さんは中学時代から地元、… |
「楽しさ突き抜けて」 歌舞伎好き作家が挑む文楽小説
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