幻冬舎の見城徹社長が同社から出版した津原泰水(やすみ)さんの書籍の実売部数をツイッターで公表したことを、同社が23日謝罪したことを受け、津原さんが朝日新聞の取材に応じた。「実売部数の公表は、僕は困らないけど、そうでない作家もいるだろうから、了解もないのに公表するのはやめるべきだ。社長がツイッターで発信することの影響力も考えて欲しい」と述べた。
幻冬舎、社長の実売部数ツイート謝罪 公式サイトに公表
幻冬舎社長「ツイートを終了」 実売部数公表で反発招く
問題の発端は、津原さんが、百田尚樹さんの著書「日本国紀」をツイッターで批判したことで「刊行予定だった文庫本を出せなくなった」と訴えたことだ。津原さんは「今回の謝罪では『日本国紀』の批判をやめるよう『圧力』があったことについては言及しておらず、引き続き対応を求めたい」と話した。
また「日本国紀」をめぐっては、他の書籍やネット上の百科事典「ウィキペディア」の記述と似通った文章があるのに引用元が明記されていないなどの指摘があり、一部は増刷時に告知なく修正や追記がされている。津原さんは「『日本国紀』自体の問題についても幻冬舎は対応して欲しい。それは幻冬舎から作品を出している作家の名誉のためにもなる」と語った。(宮田裕介)