「理不尽な妻との上手な付き合い方」「世の男性、必見 どんな時でもキレさせない会話パターン」――。こんな売り文句の「妻」「女」の解説本の出版が相次ぐ。なぜ、読まれているのか。
東京都の会社役員の男性(56)は今年初め、新聞広告を見て「妻のトリセツ」(講談社+α新書)を買った。結婚して30年近く。2人の子どもは成人し、妻と一緒にいても会話がはずまない。「何か不満があると感じてはいるが、それが何なのかわかりにくい」。男女の行動原理の違いから、夫婦のコミュニケーションの仕方を説く宣伝文句に興味を持った。自分は昔のことをすぐ忘れてしまうのに妻はよく覚えているなど、不思議だと思っていたことがいくつも解説されていた。
講談社によると、同書は37万部を突破。読者は50代前後が最も多いが、20代から70代以上まで幅広い。担当者は「予想通り、妻とのコミュニケーションの取り方に悩む男性が多かったことがヒットにつながった」とみる。当初は購入者の7割ほどが男性だったが、話題になるにつれて男女ほぼ半々になったという。
昨年末から今年にかけ、「妻と正しくケンカする方法」(大和書房)、「女の取扱説明書」「定年夫婦のトリセツ」(以上、SB新書)など、似たテーマでの出版が続く。約3万件の離婚相談に応じてきた夫婦問題研究家の岡野あつこさんは、熟年離婚や妻の不倫を恐れる男性が読んでいる、とみる。
結婚後20年以上経って離婚す…