聴き手の常識を覆す演奏で、世界中のクラシック音楽ファンの注目を集める指揮者テオドール・クルレンツィスが、自ら率いるオーケストラ、ムジカエテルナと共に初の日本公演に臨んだ。東京と大阪であった4回の公演では、客席に興奮の渦が広がった。革命的な演奏を、音楽学者の岡田暁生さんに評してもらった。
超速テンポ、音符よりハート ロシアに拠点、ムジカエテルナ 指揮者クルレンツィスに聞く
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異形のカリスマ指揮者、テオドール・クルレンツィスがムジカエテルナと初来日した。彼は単なる「話題沸騰のニュースター」どころではない。46歳にして既に世界のクラシック・ファンの話題をかっさらうカルト的存在である彼は、もう音楽界をはるか超えた一つの社会現象だ。
クルレンツィスの活動の最大の…