囲碁の女子世界戦「SENKO CUP ワールド碁女流最強戦2019」の決勝が24日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれ、中国の於之瑩(おしえい)六段(21)が韓国の崔精(チェジョン)九段(22)とのライバル対決を制し、昨年に続く連覇を遂げた。3位決定戦は台湾の黒嘉嘉(こくかか)七段(24)が日本の佃亜紀子五段(47)を破り、日本勢の最高位は昨年に続き4位となった。
崔九段―於六段の決勝戦は、300手近くに及ぶ大熱戦となった。中盤に形勢を損じた崔九段が終盤に懸命に粘り、追い上げたが追いつけなかった。
於六段は本大会を連覇、一方の崔九段も中国の世界戦「兵聖杯」を一昨年、昨年と連覇し、2人が女性囲碁界の双璧をなす。日本棋院によると、2人の対戦成績はこれで9勝9敗の五分に。於六段は「私より崔九段のほうが強いと思う。私には致命的なミスが出なかったが、彼女は秒読みに追われミスをしてしまった」と話した。大の左党。この日は日本酒とすしで祝勝会を開くという。一方、崔九段は「於六段は偉大な棋士。同じ時代に巡り合えたことに感謝し、次は勝てるようにがんばりたい」と話した。
昨年準優勝の黒七段は3位に。「来年は決勝に残りたい」。父と姉と合流して1週間ほど日本に残り、京都や大阪を観光するという。4位の佃五段は「世界戦はいつも応援する側だったので、まさか自分が対局者として臨むとは思わなかった。結果を残さないとだめだと痛感した」と話した。(大出公二)