人気ロックバンド「WANIMA(ワニマ)」のメンバー2人の出身地、熊本県天草市で7月6日、地元ファンが熱望していた「凱旋(がいせん)ライブ」が開催される。「天草宝島親善大使」でもあるWANIMAのライブを心待ちに、市民らは早くも盛り上がりを見せている。
リーダーでボーカル・ベース担当のKENTA(ケンタ)こと松本健太さんと、ギター・コーラスのKO―SHIN(コーシン)こと西田光真さんが、天草市倉岳町出身。ドラム・コーラスのFUJI(フジ)こと藤原弘樹さんは熊本市の生まれだ。一昨年、携帯電話のCM曲に起用された「やってみよう」がヒットして一気に注目を集め、NHK紅白歌合戦にも初出場した。
所属事務所の公式ホームページによると、3月6日発売の第4弾シングル「Good Job!!」の発売を記念して、天草市のほか、札幌市(6月22、23日)と首都圏(7月15日)の野外ステージで計4公演の開催が決まった。天草公演は「WANIMA天草の乱~『崎津集落』世界遺産登録1周年~」と銘打ち、天草市本渡町の大矢崎緑地公園で催される。
凱旋ライブ実現に奔走してきたのは「WANIMA天草の乱」実行委員会の武内隆昌・実行委員長(38)ら地元の有志たち。天草地域は、熊本市内からは一本道なので、週末や観光シーズンを中心に渋滞することが多く、音楽ライブなどの大きなイベントを開催するのは難しい。そこでWANIMA招致の機運を盛り上げようと最初に取り組んだのが親善大使の委嘱だった。
賛同の署名は武内さんらの予想を大きく上回り、1カ月ほどで1万3709人分が集まった。盛り上がりを受け、天草市は親善大使を一昨年11月に委嘱した。
同市中央新町の天草宝島国際交流会館ポルト前には、全国ツアーに使われた車両が展示されている。WANIMAが無償で譲渡したものだ。車のそばには、ファンが願い事を書き込む「AMAKUSAでライブを開催しタイ」と書かれた絵馬コーナーもある。なかには「願いがかなったね ライブ開催おめでタイ。」と記された絵馬も下げられていた。
武内さんは「実現まで5年、10年はかかると思っていた。絶頂期の最中に地元凱旋するアーティストは少ない。それを考えると、できすぎというくらいにありがたいお話」と喜んでいる。(大矢雅弘)