衣類の肌触りをよくする柔軟剤ですが、最近は高級感のある香りをつけたり、体臭を消したりといった機能をうたう商品が人気です。通常の倍という高価格でもよく売れていて、市場は右肩上がりです。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
大阪市西区のライフ土佐堀店の柔軟剤コーナーには、詰め替え用を含め6メーカー約80商品が並ぶ。この1年間の店での売り上げトップはネイチャーラボの「ランドリン クラシックフローラル 詰め替え 960ml」。税込み900円前後と、大手の主力製品の約2倍の水準だ。
2013年発売の比較的新しい商品だが、売り上げを急速に伸ばし、昨年には国内最大級の美容情報サイト「@cosme(アットコスメ)」で「殿堂入り」も果たした。「香水のような香りで20~40代の女性に人気。リピート率が高い」(売り場担当の早川渡さん)という。
本物の香水に使うような香料を独自に組み合わせたのがポイント。日常的に使え、衣類から自然に香るのが人気の理由だ。花王やP&Gといった大手も追随し、香りにこだわった高価格商品が市場を牽引(けんいん)。ライオンの調べでは、柔軟剤の市場は14年の843億円から、18年は約16%増の977億円に成長した。
良い香りをつけるものだけでなく、悪いにおいを抑える防臭、消臭機能をうたった商品も人気が高く、市場全体の約4割を占めている。ライオンが2月に新発売した「ソフランプレミアム消臭」は、研究員が実際に1日履いた靴下5千足をかぎ、夜までにおいを抑える効果を確かめたという。
良い香りをつけたいおしゃれ着、においをスッキリとりたいスポーツ着、ふんわりさせたいバスタオルなど「洗うもので使い分ける人も増えています」(早川さん)という。(西尾邦明)
サクラ 春の訪れ感じて
ネイチャーラボの「ランドリン サクラチェリーブロッサム」は、サクラやチェリー、ピーチの混ざり合った香りが特徴。日本を象徴する花としてサクラが世界の注目を集めているとして、2月に米国や台湾、香港と同時に国内で新発売した。600ml入りで、718円。
消臭成分 夜まで長持ち
ライオンは、消臭成分を従来品の2倍に増やした「ソフラン プレミアム消臭」を2月27日に発売した。極小の消臭成分が衣類に吸着し、においを吸収。朝着用して、夜まで衣類からにおいを発生させないという。香りは4種類で、想定価格は320円前後。
男性が使いやすい
P&Gジャパンの「レノアハピネス ユニセックス」は、男性も意識した商品。柔軟剤の使用率が独身男性世帯では半分以下という調査をふまえ、男性好みのリラックスできる爽やかな香りにしたという。520ml入りで、想定価格は376円。
肌触りを徹底追求
花王が9日に新発売する「ハミング リンネ」は、柔軟剤の本来の役割である肌触りのよさを追求した無香性の商品。天然由来の柔軟成分を厳選し、繊維のダメージも防ぐという。弾力性にこだわった「ふわり」と吸水性が特徴の「さらり」の2種類で、想定価格は各700円前後。
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主なメーカーの商品から選びました。価格は税込み
柔軟剤(本体)の売れ筋ランキング
①花王 フレアフレグランス フローラル&スウィート 570ml
②花王 フレアフレグランス フラワー&ハーモニー 570ml
③ネイチャーラボ ランドリン クラシックフローラル 600ml
④P&G レノアオードリュクス イノセント600ml
⑤花王 フレアフレグランス ジェントル&ブーケ 570ml
※ライフコーポレーションまとめ。今年1月の近畿圏での店舗の売り上げ(きりとりトレンド)