女子ゴルフのヨコハマタイヤPRGRレディスは17日、最終ラウンドがあり、鈴木愛が5バーディー、1ボギーの68で回り、通算9アンダーとして3位から逆転優勝し、昨年6月のニチレイレディス以来となるツアー通算10勝目を挙げた。
4打差の2位は葭葉ルミで、岡山絵里、福田真未、イ・ミニョン(韓)が3位。ともに首位で出た大城さつきとペ・ソンウ(韓)、20歳の渋野日向子らが6位。開幕戦を制した比嘉真美子は39位だった。(時事)
予選落ちから一転、地元四国でV
鈴木は18番グリーンに来て、この日初めてリーダーボードに目をやった。3打差で首位に立っていると知り「あ、結構開いているんだ」。残している2メートル強のバーディーパットを決めなくても大勢は変わらないが、絵になるフィニッシュを心得ている。「ここで外したら格好悪いから、しっかりと入れよう」。ラウンド中に研ぎ澄まし続けていた集中力でこれを沈め、右の拳を軽く握った。
2打差を追う最終日。六つ伸ばすことを目標に「それで負けたら相手(勝者)の方がうまい」と割り切った。序盤の2、3番で連続バーディーを奪い、その後はカップの縁で止まるパットもあるなど我慢の連続。6メートルを決めた後半15番のバーディーで混戦を抜け出した。
2014年秋のツアー初勝利から5年もたたずに節目の10勝目。徳島県出身で、ジュニア時代から育てられた四国のコースでの優勝を待ち望んでいた。この大会では昨年と2015年にプレーオフで屈し「勝てそうで勝てなかったからうれしい」。前週の開幕戦はまさかの予選落ち。「ショック。ゴルフが嫌になったほど」と土曜から月曜までクラブを握らなかったという。
さまざまな思いを凝縮させ、改めて強さを見せつけた。今季目指す年間5勝と賞金女王奪還へ、力強く一歩を踏み出した。