米電気自動車(EV)大手のテスラ社は14日、大衆向けのSUV「モデルY」を発表した。2020年秋から顧客への引き渡しを始める予定だという。最安の標準モデルは3万9千ドル(約435万円)。同社は生産の遅延やコスト高に苦しんできただけに1年半後に実際に投入できるのかどうかが焦点だ。
「機能はSUVだが、スポーツカーのように乗れる」。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、モデルYをこう売り込んだ。最速モデルでは時速60マイル(96キロ)に達するまで3・5秒しかかからないといい、標準モデルは1回の充電で230マイル(368キロ)走行できるという。20年秋に300マイル(480キロ)走行できる長距離型の販売を始め、21年春に「3万9千ドル」の標準型を発売する計画だ。5人乗りが標準だが、オプションで7人乗りにもできる。
ただ、乗用車型の大衆向け車種「モデル3」では、17年の発売時から最安の「3万5千ドル」車の投入を目玉にしていたが、工場での生産効率が上がらず、今月になってようやく発売した。モデルYについても予定通り発売できるのかどうかが同社の業績を大きく左右することになりそうだ。(サンフランシスコ=尾形聡彦)