2016年の米大統領選でロシアがトランプ氏に肩入れしたとされる「ロシア疑惑」を巡り、マラー特別検察官が22日、捜査報告書をバー司法長官に提出した。約2年続いた特別検察官の捜査は終結した。提出された報告書は機密扱いになっており、内容は明らかになっていない。
ロシア疑惑とは 選挙・ビジネス…トランプ氏巡る深い闇
バー氏が米議会上下院の司法委員会幹部に宛てた書簡によると、報告書には、捜査過程で関係者の訴追や訴追しなかった理由が記載されている。バー氏は報告書を精査した上で司法委員会幹部に今週末にも、一部内容を伝えるという。さらにバー氏は、マラー氏やローゼンスタイン司法副長官と協議し、議会や一般に開示する範囲を決定するとしている。バー氏は「可能な限りの透明性を確保する」とした。
ホワイトハウスのサンダース報道官は22日、「次の動きはバー司法長官次第だ。ホワイトハウスは報告書の内容の説明を受けていない」とした。
マラー氏は17年5月に特別検察官に任命された。当時、トランプ氏がロシア疑惑を捜査していた連邦捜査局(FBI)のコミー長官を突然解任。独立性の高い特別検察官による捜査を求める声が議会で高まったことが任命につながった。
マラー氏は、トランプ氏陣営とロシアとの関係のほか、トランプ氏による司法妨害疑惑も捜査していた。
マラー氏はこれまでトランプ大統領の元側近6人を含む計34人を訴追した。(ワシントン=杉山正)