印刷や出版などを手がける広済堂は22日の取締役会で、旧村上ファンド系の南青山不動産が広済堂に対して同日始めた株式公開買い付け(TOB)への意見の表明を留保すると決め、発表した。TOB成立後に広済堂の企業価値が損なわれないことが十分に確認できないなどとして留保を決めた。広済堂は経営陣らによる自社株式の買い取り(MBO)を進めている最中で、1月にMBOへの応募を株主に推奨した意見の撤回も同日決めた。経営陣が反対する「敵対的TOB」になる可能性がある。
南青山不動産は、MBOの買い取り価格が「大幅に割安だ」と批判。買い付け価格をMBOより50円高い1株750円としてTOBを始めた。広済堂の創業家株主や監査役も、MBOへの反対意見を表明している。