コート上で強いだけでは昇格できない。そんなBリーグの厳しい姿勢が改めて示された。B2全体で最多の41勝を挙げている信州に対し、来季のB1ライセンスを認めなかったのだ。
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B1ライセンスの交付には、収容5千人以上の本拠会場、1試合平均1500人以上の集客、運営会社の経営健全化などの条件がある。毎年審査される。
信州は一昨季が中地区最下位、昨季が同5位だった。今季は開幕直後から11連勝するなど、想定以上の大躍進だ。成績による昇格条件突破が現実的になるにつれ、チームは慌てて環境整備に奔走したといえる。千曲市(長野県)と長野市の協力の下に本拠移転を決めたり集客のてこ入れをしたりしてきた。
ところが、運営会社には2018年6月時点で約4500万円の債務超過があった。そもそもB1ライセンス審査を受ける基準を満たしていなかった。だから、リーグは審査申請を受理しなかった。
今月初旬に本拠戦の盛り上がりを取材していただけに、ファンや関係者の落胆は想像に難くない。ただ、債務超過は今年6月には解消の見込みだという。石川海斗主将は「昇格が目的なのではなく、目の前の試合に勝つことが大事」と語っていた。その意識を持ち続けていれば、来季こそB1への道が開けるはずだ。(松本麻美)