インドのホテル最大手OYO(オヨ)とヤフーは28日、日本で不動産賃貸事業「OYO(オヨ) LIFE(ライフ)」を本格的に始めた。オヨはインドで急成長するホテルベンチャー。スマホひとつで引っ越しできる気軽さを売りに、日本の不動産市場に乗り込む。
「オヨライフは革命だ」。オヨの創業者でCEO(最高経営責任者)のリテシュ・アガルワル氏(25)は28日の会見で力を込めた。
オヨライフの物件は家具・家電つきで敷金や礼金がかからず、利用者はスマートフォンだけで入居から退去までの手続きを完了できる。住みたい街に簡単に引っ越ししたいという需要をねらう。現在、物件は都内1千室だが、今後全国に拡大する。
賃料は一人暮らし向けで10万~15万円。光熱費やインターネット代も含む。最低1カ月は住むことが条件だが、1カ月前までに通知すればいつでも退去できる。3日以内の「試し住み」も可能。家事代行やカーシェアサービスと提携し、居住者は最初の月のサービスが無料になる。
アガルワル氏は「世界中で賃貸を利用する動きが強まっている」と説明。若者を中心に家を買うより、賃貸を活用して自由に移動できる生活を好む人が増えているとした。
オヨはアガルワル氏が19歳で設立したベンチャー企業。人工知能(AI)で需給などのデータを解析し、料金をリアルタイムで変更する格安ホテルチェーンとして急成長した。インド、中国など8カ国で8500以上のホテルを運営する。ソフトバンクグループの「10兆円ファンド」からも出資を受けている。祖業のホテルではなく不動産での日本進出となったが、「将来的には日本でもホテル事業にも取り組みたい」と語った。(栗林史子)