大手銀行が新卒採用を急減させている。厳しい経営環境から、かつて上位の就職人気ランキングの順位も低迷。2013年にテレビドラマ「半沢直樹」の「倍返しだ!」の決めぜりふが流行語となって注目された銀行員だが、3メガバンクの20年春の採用数は4年前の3分の1まで減る。
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループ(FG)の20年春の新卒採用計画は計1680人。この10年で最も少なく、ピーク期の16年の3分の1だ。4年連続の前年割れで、今春より約3割減。最大手の三菱UFJの来春の採用数は今春のほぼ半分の530人で、3行で最も絞っている。ピークだった07年の約4分の1で、旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行が合併した06年以降で最も少ないという。
超低金利で国内事業は伸び悩み、同行は23年度までに従業員の1割超の約6千人を減らす。採用抑制もこの方針に沿ったものだ。事情は他の2行も同じで、三井住友は18年の採用を前年比4割減、みずほも19年分を前年比でほぼ半減させた。
低金利に加えて銀行を脅かすのが、金融技術の革新「フィンテック」で躍進するIT系企業。独壇場だった決済や融資分野に参入され、銀行の代名詞「安定」が揺らぐ。就職情報「学情」の人気ランキングをみると、13年卒分は三菱UFJ2位、みずほ6位、三井住友9位だったが、20年卒分はそれぞれ47位、72位、87位と急落している。
各行は帳票管理などの煩雑な事務を、人工知能(AI)やロボットによる業務自動化(RPA)で代替する考え。みずほは来春、こうした事務を担う一般職採用を今春の5分の1に抑える。
三菱UFJは、こうしたデジタ…