ハワイの風や香りを、日本にいながらに――そんなバーチャルリアリティー(VR)の装置を、日本航空などが開発している。服を試着するように旅を疑似体験してもらい、実際の旅行予約につなげるのが狙いだ。
2日、報道陣に公開された試作機が「JAL xR(エックスアール) Traveler(トラベラー)」。専用のゴーグルをつけ、模型の手をにぎってランニングマシンの上を歩くことで、女性に手を引かれながらハワイの自然を歩く旅を疑似体験できる。
海辺の場面では前から風が吹き、森の場面では土と花のにおいがゴーグルからしてくるなど、視覚以外でも現地の雰囲気を感じられるのが特徴。ショッピングモールなどに置いて、海外旅行をあまりしない人にも興味を持ってもらうようにする。
VR事業などを展開するSOOTH(スース)(東京)と共同開発しており、2020年ごろの実用化をめざす。
日航の西畑智博常務執行役員は会見で、航空会社間の競争が今後激化していくことに触れ、「テクノロジーを使って付加価値をつけていきたい」と話した。(高橋尚之)