9日の東京株式市場で、兵庫県姫路市にある「グローリー」という会社の株価が一時、1日の制限値幅以上に値上がりする「ストップ高」になった。麻生太郎財務相が、新しい紙幣と硬貨の発表をした直後のことだ。いったいどんな会社なのか。
JR姫路駅から車で約10分の国道沿い。グローリーの本社と工場、研究拠点がある。敷地内の「ミュージアム」には、この会社が過去に開発、販売してきた製品がずらりと並んでいる。
製品は大小さまざま。説明をみると、銀行の店舗や小売店で使う紙幣の自動計量器、お金の出し入れをチェックする「オープン出納システム」などとある。広報担当者は、「お金を扱う機器づくりの第一人者だ」と胸を張った。金融機関など向けの機器で、全国シェア1位。現金自動出入機(ATM)を支える内部の部品や、偽札判定機も造っているという。
株価が上がったのは、今後こうした機器の更新や新しく導入する動きが増えると、投資家が考えたためだとみられる。実際、前回2004年に新紙幣が導入された際には、直前の03年度の売上高が、前年の1・5倍に跳ね上がった。
1950年、前身の国栄機械製…