歯周病が進むと、肺に炎症ができて呼吸がしづらくなる慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)になるリスクが3・5倍になることが、福岡県久山町の住民を対象にした九州大の追跡調査でわかった。COPDは喫煙が原因とされる「たばこ病」として知られるが、たばこを吸わなくても、歯周病の細菌が肺に入るなどして発症の危険性が高まるという。
九大の竹内研時助教(現・名古屋大准教授)=歯科公衆衛生学=らが3月、国際歯学雑誌に論文を発表した。
研究グループは60代以上の町民900人を、歯と歯茎との溝の深さなどに応じて、歯周病の軽度、中等度、重度の3グループに分け、2012年から5年間追跡。喫煙の影響を差し引いても、歯周病が進んだ人のグループは、軽い人のグループに比べてCOPDになる割合が3・5倍高かったという。
COPDの患者は全国に約53…