牛丼チェーンを展開する吉野家ホールディングス(HD)が11日に発表した2019年2月期決算は純損益が60億円の赤字となった。通期の赤字は6年ぶり。牛肉やコメの原材料費と人手不足によるアルバイトの人件費の高騰が響いた。店舗撤退の損失も計上した。
「吉野家」は期間内で何度でも使える割引券の販売などによって増収となったが、人件費がかさむなど前年同期比30・4%の営業減益だった。冬場にメニュー数を増やさなかったことで来客数が減少したという。
「ステーキのどん」などを展開する子会社「アークミール」は、競合他社との競争が激化し8億円の営業赤字となった。さらに業績不振店の退店などで、特別損失として52億円を計上した。吉野家HDの河村泰貴社長は「赤字を真摯(しんし)に受け止めている。(スマホによる注文の活用などで)店の生産性をあげる」と話した。同社は役員報酬の減額も発表。代表取締役は月額報酬の20%を、常務取締役は同10%を3カ月間減額する。
吉野家は収益改善を図るために…