丸紅子会社でインターネット通信事業を手がけるアルテリア・ネットワークスは16日、競合他社との間でお互いの顧客に積極的に営業をかけないと取り決めるなど、独占禁止法違反の疑いがある行為が発覚したと発表した。川上潤社長が同日付で引責辞任し、後任に丸紅執行役員の株本幸二取締役が就く人事を決めた。
発表によると、アルテリアと同社の子会社は、競合他社との間でお互いの顧客に取引切り替えの営業をしないことや、競争を控えることなどを取り決めていた疑いがある。内部通報を受けて、外部の弁護士による調査を実施してわかった。
アルテリアは昨年12月に東証1部に上場。これらの行為は上場前の段階で、すでに一部の役職員が事実関係を把握していたが、有価証券報告書に記していなかった。今後、部門間の十分な情報共有など再発防止策に取り組むとしている。
丸紅は「アルテリアにおけるコンプライアンス(法令や社会規範の順守)意識の徹底や再発防止策の推進について積極的な役割を果たす」とのコメントを発表した。(高橋末菜)