2020年東京五輪のチケット抽選販売受け付けが9日午前10時、大会組織委員会の特設サイト(
https://ticket.tokyo2020.org
)で始まった。開始直後に「サイトが大変混雑しております」との表示が出て、当初は1分だった「見積もりのお待ち時間」が4分、5分、7分と延びるなど、つながりにくい状況だった。プロ野球の1球団の4~5年分に相当する780万枚(招致時の試算)の争奪戦。高倍率になりそうなチケットや「とにかく五輪を観戦したい」という人向けのチケットを記者が予想した。
「屋内で日本人のメダル期待」は高倍率
五輪チケットは、基本的に「1日通し券」がない。午前、午後、予選、決勝など、組織委が決めた合計720以上の枠(セッション)単位で販売され、同じ種目でも値段が変わる。席種はA~Eの最大5種類で、入れ替え制だ。
高倍率が予想されるのは「屋内競技で日本選手のメダルが見られそうなセッション」だ。猛暑が想定され、空調の利いた屋内競技に人気が集まりそう。休日実施の種目は、さらに倍率が跳ね上がる。
競泳(会場の収容人数1万5千人)、柔道の決勝種目(同1万1千人)、体操男子(同1万2千人)は、その典型だ。昨年の世界選手権を制した桃田賢斗らのバドミントン(同7200人)や、張本智和、伊藤美誠らが日本勢初の金メダルを目指す卓球(同7千人)も人気だ。収容人数の中には関係者席や機材などを置く席も含まれており、実際に販売される座席はさらに少なくなる見通しだ。
組織委も、人気を予想しながら値付けをしている。柔道の最高価格は前回のリオデジャネイロ大会の約2万6千円から5万4千円に。卓球やレスリングも過去大会より割高にした。
このほか、男子バスケットボール決勝(8月8日昼)や、「人類最速」を決める男子100メートル決勝(8月2日夜)は、いつの大会でも大人気だ。リオ大会で日本が銀メダルを獲得した男子4×100メートルリレー(8月7日夜、収容人数6万8千人)も高倍率になりそう。最高価格30万円の開会式(7月24日夜、収容人数6万8千人)は、申し込み上限が2枚に設定されており、高倍率は必至だ。
組織委は今回、当選確率を上げるために第2希望(最大30枚)を選べるシステムを設けたが、人気競技が第2希望で当選する可能性は低いとみられる。
記念に見たい人は
一方、ほとんどの競技で出場国や選手、詳細な組み合わせが決まっておらず、現時点では買いにくいのも確かだ。特に平日開催の予選は落ち着いた倍率になりそう。陸上(7月31日~8月9日)会場の新国立競技場の収容人数は、全競技で最多の6万8千人。午前中は一部競技で決勝もあり、狙い目と言えそうだ。
価格は全体の半分以上が8千円以下で「記念に見てみたい」という人には、手が届きやすい料金設定になっている。子どもやお年寄りを含む家族や仲間と一緒に見たい人は、1枚2020円で買えるグループチケットがおすすめだ。
東京大会の目玉とされる「都市…