民事裁判の争点整理のため、裁判所と弁護士事務所などをインターネットでつなぎ、当事者が顔を見ながら話し合う「ウェブ会議」が来年2月から導入されることになった。最高裁が全国の8地裁と、特許裁判を専門に扱う知財高裁(東京)で先行的に始めることを決めた。裁判所への出頭が不要になることで、裁判期間が短くなることが期待される。
民事裁判は法廷で第1回口頭弁論を行った後、裁判所の準備室などで「弁論準備」や「書面による準備」の手続きを重ね、争点や証拠を絞り込んでいくのが一般的だ。しかし、裁判所、原告側、被告側の三者の日程調整が難航することが多く、裁判の長期化の一因となってきた。電話会議は既に導入されているが、顔が見えず、議論は深まりにくかった。
このため、最高裁はこの二つの手続きでウェブ会議を活用することを決めた。原告、被告の代理人弁護士が専用のアプリをパソコンに導入すれば、事務所でも出張先でも、インターネットを通じて会議に参加できる。電子化された書面も画面に表示できるので、同じ資料を見ながら議論を進めることが可能だ。
先行して導入するのは、高裁所…