消費者問題を審議する内閣府・消費者委員会の専門調査会は26日、インターネット取引などのサービスを提供する「プラットフォーム事業者」などの役割をまとめた報告書を了承した。利用者が安心して取引できるように、事業者の果たす役割が明記された。
報告書は、事業者は不正な取引を行う利用者を排除し、トラブルを回避できる可能性を持つ立場と位置づけ、安全に取引ができるシステムを構築する役割があると指摘。そのうえで、物品やサービスを出品する「出店者」らの審査基準の公表や相談窓口の設置、わかりやすい商品表示など、求められる取り組みを例示した。
利用者同士のトラブルについて、事業者は「場の提供者」に過ぎず、原則責任を負わないとされる。だが報告書は、事業者は物品やサービスの提供者と一体となってトラブル解決に取り組むことが重要、とした。消費者委員会はこの報告書に沿って内容を審議し、関係省庁に示す見通し。
消費者委員会が昨年7月に1千人に実施したアンケートでは、ネット取引でトラブルを経験した人は約3割いた。品質や配送に関するトラブルが多かった。また、トラブルが起きても相談せずに放置した人は15~25%いた。(長谷文)