人工知能(AI)が万引きしそうな客の動作を察知して店員に注意を促す――。こんな防犯システムの導入が始まっている。ベテラン警備員のノウハウを採り入れたり、不審者の行動の特徴をAIに学ばせたりして性能を高め、犯罪の未然防止や早期発見につなげようという試みだ。
防犯技術のスタートアップ企業「アースアイズ」(東京都)は、防犯カメラとAIを組み合わせたシステムをNTT東日本と開発。スーパーやホームセンターなど、全国で2千台が使われている。万引き対策専門の警備員「万引きGメン」の教育マニュアルの内容をAIに搭載した。
店内をうろついたり、キョロキョロと周囲をうかがったりするしぐさを検知すると、店員のスマホに通知が届き、不審な客への声かけなどを促す。山内三郎社長(53)は「店側は万引き犯の逮捕より、被害を減らしたがっている。それなら声かけで未然に防げばよいと考えた」と話す。
映像解析のスタートアップ企業「VAAK(バーク)」(東京都)が開発した万引き防止システムは、コンビニなど60店に導入される予定だ。防犯カメラに記録された客の歩幅や目線、関節の動きなどの膨大なデータを深層学習と呼ばれる技術でAIに学ばせて、万引き犯に共通するしぐさをいち早く検知できる。
昨年末、横浜市のコンビニで、…