米国のトランプ大統領が25日から来日し、滞在中に大相撲の千秋楽を観戦することになりました。幕内優勝力士には「米国大統領杯」を授与するそうです。大相撲は海外でも人気で、他国の首脳には、訪日中に相撲観戦をしたり、「大統領杯」を創設したりした人もいました。大相撲を舞台にした外交などについて、相撲報道に60年以上携わってきた元NHKアナウンサーの杉山邦博さん(88)に聞きました。
国際ニュースを解説「今さら聞けない世界」
――トランプ大統領は「升席」で観戦すると話題になっています。どんな席ですか。
土俵から10メートルくらいしか離れていない席で、「桟敷席」とも呼ばれています。力士たちがぶつかり合う音や息づかいまで聞こえますから、特上の席と言って間違いありません。
――大統領は椅子を使って観戦するそうです。
桟敷席はその名前の通り、座ったりあぐらをかいたりする席です。椅子が使われたことは、私の記憶の限りではありませんね。
――力士が勢い余って転がり落ちてきたら危険ではありませんか。
「升席」よりも土俵に近いところには、いわゆる「砂かぶり」と呼ばれる「たまり席」があります。力士がそこまで落ちてくることはしばしばあり、骨折した観客もいると聞きますが、「升席」まで力士が落ちてくることはありえません。
――座布団が飛んだ際の警備も話題になっていますね。
座布団が投げられるのは、お客さんたちがいい取組を見て「よくやった!」と喜んで興奮したときが多いです。ほかにも、横綱や大関が期待はずれの負け方をして、「しっかりしろ」と激励のために投げることもありますから、タイミングは予想がつきませんね。
――海外の要人は通常、貴賓席で観戦するのでは?
そうです。日本の皇室や、海外からの賓客の方は2階の貴賓席で観戦されてきました。そういった方をお迎えするために特別に設けられた席ですし、これまでも観戦された方は皆さん、大変喜んでいただいたと聞いています。
――なぜ、トランプ大統領は升席に?
私にはわかりません。正直、せ…