(26日、神戸4-1湘南)
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約1カ月半ぶりの白星。公式戦9連敗でたまったストレスをはき出す神戸のゴールラッシュだった。
先取点は後半9分。DF西のクロスに、FWウェリントンが体を投げ出すように右足を合わせて奪った。同28分にはMF山口、ウェリントン、MF三田と中央から崩して追加点。その2分後にFWビジャ、終盤にはウェリントンが頭で再びネットを揺らして計4得点。ウェリントンは「チームのためにできることをやった」と誇った。
連敗中は不穏な空気が流れた。4月中旬に監督が交代し、主将のMFイニエスタら主力にけが人が相次いだ。「就任当初はバラバラだった」と吉田監督は明かした。浮上の糸口がつかめない危機的状況が続いていた。
湘南戦2日前の24日にはこんな出来事もあった。三木谷会長が神戸市内の練習場に現れ、選手らに直接檄(げき)を飛ばしたのだ。「楽天も多額の損失を出して、倒産しそうになった時期があった。そんな時こそ、自分の出番だと思った。『自分がやるんだ』という、強いメンタルを持ってほしい」
「異例」ともいえる会長の行動。それに発奮したという三田は「会長も、社長も、スタッフも、選手も、サポーターもみんなが勝ちたかった」。吉田監督も「全ての方の思いが詰まった一戦だった。チームが一丸になりつつある」と手応えを語る。分裂しそうだった神戸が4得点の大勝で踏みとどまった。(大西史恭)